らいむす企画は、神戸の編集オフィスです。料理レシピ本など実用書の企画・制作全般と、旅行・店などの取材執筆をしています。ギャラリースペース rai.box(ライ・ボックス)では、展覧会とスペースレンタル、本の販売を行っています。


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ギャラリースペース rai.box

編集オフィス らいむす企画内のギャラリースペースとして運営していましたが、2012年5月末閉廊しました。このページで展覧会等の過去の記録をご覧いただけます。
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ふゆの贈りもの展 参加作家4:馬場律子さん
12月6日〜25日に開催する『ふゆの贈りもの〜ひとり1棚の作品展〜』。
参加作家の皆さんを一人ずつご紹介します。

参加作家のご紹介 4
馬場律子さん

馬場さんは、とてもオシャレで素敵な女性です。
ところが、馬場さんのガラス作品は、大きくてなかなかダイナミック。
透明なガラスの中に、大きな気泡が浮かんでいるのが特徴です。
女性らしいやさしさを感じるのが、
フォルムのまるみとぽってりとした質感。
ガラスといえば、涼しげな表情を思い浮かべますが
馬場さんの作品には、どこかあたたかさがあります。
冬でも使いたくなるガラスなのです。

馬場さんは以前、インテリア関係のお仕事をされていたそうです。
ガラスが好きで、吹きガラスの道へ。
ガラスの世界は奥が深く、その魅力にはまった、とか。
制作は思いのほか力仕事で、女性には大変なようですが
馬場さんの女性らしいセンスが生きています。

馬場律子
(C)Ritsuko Baba

馬場律子(ばばりつこ/ガラス)
ガラスの透明感と泡の自由さが好きで、主に泡の器を作っています。
小さな泡は重層を使い、大きな泡は水泡という手法です。
手作りのあたたかさを感じていただけたら幸せです。
【略歴】
三田市ガラス工芸館 吹きガラスコース修了。
神戸市北区在住。


馬場律子
(C)Ritsuko Baba
2009年の展覧会 | 12:54 | comments(0) | trackbacks(0)
ふゆの贈りもの展 参加作家3:金井和歌子さん
12月6日〜25日に開催する『ふゆの贈りもの〜ひとり1棚の作品展〜』。
参加作家の皆さんを一人ずつご紹介します。

参加作家のご紹介 3
金井和歌子さん

当ギャラリーからほど近い元町に
DELLA-PACE(デラ・パーチェ)というステキなギャラリーがあります。
金井和歌子さんの作品とは、DELLA-PACEさんで出会いました。
主宰者の黒澤直子さんがご紹介くださり、
今回、本展に参加してくださることになりました。

一見、どっしりと重みがあるように見える金井さんの作品は
手にしてみると軽やかなのに驚かされます。
そして、「本当に手で作ったの?」と尋ねたくなってしまうほど
ラインが精密で美しい。
きちんときれいな線を引くの好き、という金井さんの
丁寧な仕事が、このような美しい作品を生むのです。
あまりきちんと仕上がっているので冷たく見えそうですが
少々ムラのある色が、使いこんだかのような
不思議な風合いをもたらしていて、あたたかみがあります。
実は、完璧にオシャレなのはちょっと恥ずかしい、という金井さん。
作品の中には、おちゃめな一面もあります。
使いこむほどに、その魅力がわかる金井さんの陶器を
ぜひ手にしてみてください。

来年1月には、DELLA-PACEさんでも
贈りものにしたい作品が並ぶ『包みちゃん』展が開かれる予定です(会期未定)。
そちらにも金井さんの作品が並ぶそうですので、お楽しみに!

金井和歌子
(C)Wakako Kanai

金井和歌子(かないわかこ)/陶芸
ありそうで無い、でもどこかなつかしい感じのするものを
作りたいと思っています。
【略歴】
1973 兵庫県明石市に生まれる
1996 関西学院大学文学部卒業
2001 京都市立芸術大学美術学部工芸科陶磁器専攻 卒業
2002 ホワイトキューブ京都にて個展
2003・04 大阪 studio J にてグループ展
2004〜毎年 吹田市 arts&crafts いち にて器展
2006 眦膕圧都店にて個展
    studio J にて二人展
2007 神戸元町6wordsにて個展
2008 6wordsにてグループ‘いかもの’展
    神戸元町 DELLA-PACE にて個展
2009 神戸ギャラリー島田 ミニアチュール神戸展
    DELLA-PACE 「手から手へ�」展
    6words 「箱」展 
現在 明石市で制作


金井和歌子
(C)Wakako Kanai
北欧風の印象がする青い陶器のシリーズ。
使いこんだかのような風合いが魅力です。
2009年の展覧会 | 09:57 | comments(0) | trackbacks(0)
ふゆの贈りもの展 参加作家2:丸山美根子さん
12月6日〜25日に開催する『ふゆの贈りもの〜ひとり1棚の作品展〜』。
参加作家の皆さんを一人ずつご紹介します。

参加作家のご紹介 2
丸山美根子さん

丸山美根子さんは、当ギャラリーがリニューアルする前の
2008年ふゆ展にご出展いただきました。
覚えていらっしゃる方もあるかもしれません。

スウェーデン、デンマークでテキスタイルを学び、
中でも、スウェーデンに伝わる手編みに感動したという丸山さん。
天然の羊毛を使って作られるニット作品は、実用的で暖かです。
けれど、手編みニットは他の国にもありますね。
特に、スウェーデンニットを選び手がける上で
丸山さんはこうおっしゃいます。
「北欧らしさを意識するとするとそれは配色なのではないかと私は思います。北欧と言えば水彩画のようなパステルカラーが特徴でもありますが、その反面、冬季期間の長さからせめてインテリア&ファッションには明るさを求めたいとの願望で大胆な色使いがあったり、2面性があるかと思います。また、北欧ニットの特徴には自然志向の高さからウールを染めることなく羊の原毛そのままをスピンした薄いグレーからチャコールグレーにかけての色あいのカラーバリエーションが豊かです。」

色を楽しみながら、体も心もあたたかくなる作品です。
贈りものにも、自分用にも重宝する、手編みニットは
ぜひ、手にとって、そのあたたかさと手触りを確かめてください。
ハンドウォーマー、手軽にできる短めのショールが中心。
色、柄が豊富で、男性に合うものも見つかります。

丸山美根子
(C)Mineko Maruyama
丸山美根子
(C)Mineko Maruyama


丸山美根子(まるやまみねこ)/スウェーデンニット

かつて4年間住んでいた北欧の自然、街のたたずまい、室内インテリアからイメージされる“北欧”を頭の中で膨らませながら配色・デザインを考えていると時を忘れて没頭します。できるだけ私の個性を生かしながらも北欧らしい仕上がりを心がけています。あまり強い自己主張をすることはしないのに、なぜか心魅かれる要素が北欧の色彩感覚にはあるような気がするからです。
【略歴】
北海道、函館市生まれ。東京都在住。スタジオ ルンドベリー主宰。
1979-81 スウェーデン、ボロース大学テキスタイル学部にて手織り、ハンドプリント・ニットを学ぶ。
1981-83 デンマーク、コペンハーゲン美術工芸大学テキスタイル学部にてテキスタイルアートを学ぶ。
1984-85 IKEA JAPAN(現アクタス)にてテキスタイルデザイナーとして勤務。その後IKEAの日本撤退により退職。
1986-2004 外資系企業に勤務のかたわら北欧手織り・北欧ニットを趣味として手がける。
2004- 念願の創作活動に専念し、現在は北欧テクニックを取り入れた手編みニットを制作。


丸山美根子
(C)Mineko Maruyama
2009年の展覧会 | 09:29 | comments(0) | trackbacks(0)
ふゆの贈りもの展 参加作家1:福田十糸子さん
12月6日〜25日に開催する『ふゆの贈りもの〜ひとり1棚の作品展〜』。
参加作家の皆さんを一人ずつご紹介します。

参加作家のご紹介 1
福田十糸子さん

福田十糸子さんの作品との出会いは、大阪の
ミリバールギャラリーでの個展でした。

白い無機質な空間にたたずむ等身大の人形たち。
かろやかでいて、紙から生まれたと思えない存在感、
フォルムの自由なライン…
空気が形を作り色をまとったような、
しなやかな魅力に、すっかり虜になりました。

後日、ミルブックスさんにご紹介いただいて
福田さんとお会いし、お話したところ
福田さんご自身も、とっても魅力的な方でした。
厳しく優しいお人柄と創作に向き合う姿勢は
まさにアーティストと感じます。

本展では、宮沢賢治の作品から発想を得たという
小さな作品「どんぐり」をメインに、展示してくださる予定です。
手のひらに乗るサイズながら、一つひとつ表情が異なる
ちょっと生意気な顔のどんぐりたち。
ぜひご覧いただき、手のひらでその軽さと質感を確かめてください。
そして、目が合ったどんぐりをあなたのものに…
もしかしたら、あなたにそっくりなどんぐりがいるかもしれません。

福田十糸子 どんぐり
どんぐり (C)Toshiko Fukuda

福田十糸子(ふくだとしこ)/立体造形

和紙を素材にして、ひとのかたちを張り子につくっています。
柔軟で強く、軽い和紙を素材とするうちに、
いつしか、そこから生まれる「ひと」にも、
しなやかさ、強さ、軽快さを望むようになりました。
【略歴】
1960 大阪生まれ
1983 京都市立芸術大学美術学部日本画専攻卒業
1984-85 四谷シモン人形学校に学ぶ
1992 初個展
以降 毎年個展、グループ展等、関西を中心に活動。
また、演劇、パフォーマンスのための造形を手がける。
URL http://www.fukudatoshiko.com/


福田十糸子 さかだち
さかだち (C)Toshiko Fukuda
なんともいえない、逆立ちする人々。こちらの作品も不思議な魅力があります
2009年の展覧会 | 12:18 | comments(0) | trackbacks(0)
12月の展覧会のご案内
クリスマスシーズンの12月は、贈り物を探す時期でもあります。
作家さんの心こもる作品を、贈り物に、自分用に、手にしていただきたい。
「見る・買う・使う」楽しみを提案する展覧会として
複数の作家さんの作品が並ぶ作品展を開きます。

2009年12月6日(日) 〜 25日(金)
「ふゆの贈りもの 〜ひとり1棚の作品展〜」

会場 gallery space rai・box(ギャラリースペース ライ・ボックス)
   神戸市中央区下山手通2-5-7 源生ビル3F
   TEL 078-333-6536(らいむす企画)
   http://www.raims.info
open 11:00〜19:00(最終日は17:00まで)
close 会期中不定休
※ルミナリエ開催時期とも一部重なるため、本展会期中は
通常とは異なる営業時間・休廊日で運営します。


参加作家・展示作品について
福田十糸子(立体造形)、丸山美根子(スウェーデンニット)、金井和歌子(陶芸)、馬場律子(ガラス)の4作家が、一人一棚のスペースに作品を展示します。「見る・買う・使う」楽しみを提案する展覧会として、すべての作品を販売いたします。また、当ギャラリーが選んだ手作りの品も展示・販売予定です。
*後日、4回に分けて作家さん一人ずつをご紹介します*

福田十糸子 どんぐり
(C)Toshiko Fukuda

丸山美根子
(C)Mineko Maruyama

金井和歌子
(C)Wakako Kanai

馬場律子
(C)Ritsuko Baba
2009年の展覧会 | 20:24 | comments(0) | trackbacks(0)
11月27日から、いわごえわかな『月と星』展
2009年11月27日(金) 〜 12月1日(火)
いわごえわかな「月と星」展

いわごえわかな『月と星』展
(C)Wakana Iwagoe

作家より
月と星をテーマにした、絵とイラスト・絵本の展覧会です。
夜、空を見上げたときの、なんともいえない気持ちよさを感じていただければ嬉しいです。幻想的な月と星の世界をぜひ見に来て下さい。

現在、神戸芸術工科大学デザイン学部ビジュアルデザイン学科4回生、いわごえわかなの初個展。卒業を目前にした彼女が今までの作品を発表し、新たな1歩を踏み出します。
いわごえわかなは、2007年頃から光に興味を持ち「光る絵」を目指して描くようになりました。
本展では、「月と星」をテーマにした絵画(アクリル画が中心/B5〜F15サイズ)約15点と、「画集のような絵本を目指した」という絵本作品1冊の展示、ポストカードと切手型シールの販売を予定しています。


いわごえわかな略歴
2歳頃より絵を描き始める。2007年頃から月と星をテーマにしたアクリル画の制作を始める。絵本の制作も行い、今までに4作品を完成させた。現在、神戸芸術工科大学デザイン学部ビジュアルデザイン学科4回生。

いわごえわかな『月と星』展
(C)Wakana Iwagoe
『無題』B5/アクリル
2009年の展覧会 | 18:17 | comments(0) | trackbacks(0)
上平孝美写真展。作家在廊予定日のお知らせ
gallery space rai・boxは11月3〜5日休廊、6日(金)から、
上平孝美写真展『ひとりもん Singles』神戸展を開催します。

作家在廊予定日は下記の通りです。
11月 7日(土) 15:00〜
  14日(土) 15:00〜18:00
  15日(日) 16:30〜
  17日(火) 夕方〜

2009年11月6日(金) 〜 11月17日(火) *11・12日は休廊
上平孝美写真展「ひとりもん Singles」

上平孝美「ひとりもん Singles」
(C)Takami Uehira

Artist's statement

攻めない、語らない、大きな声を出さない。
誤解しない、期待しない、裁かない。
ほめない、さわらない、笑いかけない。
ただ、風に吹かれてそこに座っていなさい。

私より年上の独身男性たちを撮影しました。
独身である理由は様々でも、総じて
「ひとりもん」と呼ぶことに決めました。

No fighting. No talking. No shouting.
No misunderstanding. No expectation. No judgement.
No compliment. No touching. No smiling.
Let your mind sit in the blowing wind.
Here presents my works of older single men.
Their reasons to be a bachelor vary, yet I unify them as "Hitori-mon" (=singles)

上平孝美(ウエヒラタカミ)略歴
1969 大阪府生まれ
1991 立命館大学産業社会学部卒業
2000 California College of the Arts 写真学科卒業
2007 グループ展 [DOOR 2007] Port Gallery T / 大阪
2008 第31回キヤノン写真新世紀 佳作受賞
2009 個展『ひとりもん Singles』Port Gallery T / 大阪


*こちらもご覧ください →展覧会詳細 →作家インタビュー記事
2009年の展覧会 | 09:09 | comments(0) | trackbacks(0)
11月の展覧会のお知らせ
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11月開催の展覧会は2つです。
・上平孝美 写真展『ひとりもん Singles』(神戸展)
・いわごえわかな『月と星』展
皆様のご来場をお待ちしています。
--------------------------------------------------------

2009年11月6日(金) 〜 11月17日(火) *11・12日は休廊
上平孝美 写真展「ひとりもん Singles」

上平孝美「ひとりもん Singles」
(C)Takami Uehira

Artist's statement

攻めない、語らない、大きな声を出さない。
誤解しない、期待しない、裁かない。
ほめない、さわらない、笑いかけない。
ただ、風に吹かれてそこに座っていなさい。

私より年上の独身男性たちを撮影しました。
独身である理由は様々でも、総じて
「ひとりもん」と呼ぶことに決めました。

No fighting. No talking. No shouting.
No misunderstanding. No expectation. No judgement.
No compliment. No touching. No smiling.
Let your mind sit in the blowing wind.
Here presents my works of older single men.
Their reasons to be a bachelor vary, yet I unify them as "Hitori-mon" (=singles)

上平孝美(ウエヒラタカミ)略歴
1969 大阪府生まれ
1991 立命館大学産業社会学部卒業
2000 California College of the Arts 写真学科卒業
2007 グループ展 [DOOR 2007] Port Gallery T / 大阪
2008 第31回キヤノン写真新世紀 佳作受賞
2009 個展『ひとりもん Singles』Port Gallery T / 大阪


*こちらもご覧ください →展覧会詳細 →作家インタビュー記事


2009年11月27日(金) 〜 12月1日(火)
いわごえわかな「月と星」展

いわごえわかな『月と星』展
(C)Wakana Iwagoe

作家より
月と星をテーマにした、絵とイラスト・絵本の展覧会です。
夜、空を見上げたときの、なんともいえない気持ちよさを感じていただければ嬉しいです。幻想的な月と星の世界をぜひ見に来て下さい。

いわごえわかなの初個展。光に興味を持ち、月と星をテーマに「光る絵」を目指す制作を続けています。本展では、B5サイズからF15サイズのアクリル画と絵本、約15点を展示予定。卒業を目前にした大学4回生の彼女が、今までの制作を発表し、新たな1歩を踏み出します。

いわごえわかな略歴
2歳頃より絵を描き始める。2007年頃から月と星をテーマにしたアクリル画の制作を始める。絵本の制作も行い、今までに4作品を完成させた。現在、神戸芸術工科大学デザイン学部ビジュアルデザイン学科4回生。
2009年の展覧会 | 00:40 | comments(0) | trackbacks(0)
作家インタビュー 上平孝美さん
上平孝美さん

rai・boxでは、11月6日(金)〜 11月17日(火)、
上平孝美 写真展『ひとりもん Singles』(神戸展)を開催します。

展覧会の詳細はコチラ→上平孝美写真展『ひとりもん Singles』

上平孝美さんは、2008年度・キヤノン写真新世紀で入賞し、注目を集める写真家。独身男性を撮影した入賞作品「ひとりもん Singles」は、「新しいタイプの人物ドキュメンタリー」(写真評論家・飯沢耕太郎 談)と評されました。

<最初はコミュニケーションの道具として>
撮影者の上平さんは大阪府出身。関西ノリの笑いを交えつつの語り口はハッキリキッパリとテンポよく、明確な意志が伝わってきます。インタビューのスタートは、恒例の「写真を始めたきっかけ」から。

…大学では写真とは全然関係のない勉強をしました。卒業後、サンフランシスコの近くに語学留学したのですが、言葉がわからないのでコミュニケーションがとれないんですね。そこで安いカメラを買って、フリーマーケットなんかで「写真、撮らせてください」って。カメラを道具にしました。きっかけと言えば、それがきっかけです。できた写真を見ると、あ、結構いいじゃない、とか思って(笑)、自分なりにポートフォリオみたいなのを作って楽しんでいました。

その頃、父が亡くなって遺産を少しもらいました。写真を本格的に勉強したいと思い始めていたので、そのお金で学校(Callifornia College of the Arts)の写真学科へ行き、本格的に写真を勉強しました。

卒業後はアメリカで2年間、ウェブデザインの仕事をしました。当時はITバブルの頃で、仕事はたくさんありましたね。語学留学の時から通算して7年間アメリカにいて、帰国。日本に帰ってからもウェブデザインの仕事を続けて、今に至っています。アメリカで覚えた頃は先端技術だったのですが、この世界はすごいスピードで進んでいるので、そろそろキツイですね(笑)。

写真を仕事にしようとは全然、思いませんでした。誰かのために撮るのではなく、自分が撮りたいと思うものを撮っていきたい。私には「売れる」写真は撮れない、というか、お金に関係なく撮っていたい。自分の中に占める写真の位置は今も変わりなくて、だから、これからも写真を仕事にすることはないだろうと思います。


<作品は疑問から生まれる>
帰国後、2005年にグループ展。初めての発表作品に選んだテーマは、遺産相続でした。

…帰国してしばらくはカメラに触らなかったのですけれど、余裕ができた頃から「写真表現大学」に行き始めました。土日だけ、20代から60代までいろんな世代の人達が集まって写真を発表し合う学校なんです。そこでグループ展をすることになりました。私が展示したのは「遺産相続」です。父が亡くなった時、会ったこともない「お姉さん」とか出てきて相続争いになったり、いろいろありました。それを作品にしたものです。お金とか、相続の書類とか、銀行の貸し金庫を撮影したり、そういうモノでお金にまつわるモロモロを表現しました。お金とかセックスとかは、ビジュアルにするのがタブーとされているじゃないですか。「タブー」を写真にすることに興味があるんだと思います。
それと、「疑問」ですね。例えば、お金を前にすると人はなんでこんな風になってしまうんやろ、そういう疑問から作品が生まれます。疑問に向かっていって私なりに写真にしたら、見た人がまたそれなりに疑問を持ってくれるかな、と。


2008年、上平さんはキヤノン「写真新世紀」※に応募し、佳作に入賞しました。
その入賞作品で個展を開催。同じポーズの男性11人がずらりと並ぶ写真展は、大きな反響を呼びました。タイトルは「ひとりもん Singles」。そのテーマも、発端は疑問だったといいます。

※キヤノン「写真新世紀」 
写真表現の新たな可能性に挑戦する新人写真家の発掘・育成・支援が目的の公募コンテスト→http://web.canon.jp/scsa/newcosmos/


…男の人と女の人では、同じ独身者でも世間の扱いが違うなあと思っていました。女の人はアラフォーとか言われてドラマになったりするのに、その対(つい)になる男性の独身者は全然、表に出てこない。なんでやろ。彼らは、どんな生活をしてるんやろ。なに考えてるんやろ。実体を知りたい。それで、自分より年上の知り合いや、知り合いに紹介してもらって撮影を始めました。撮影の意図を話すと、面白そうやん、と言ってくれる人もあれば、独身であることをあなたの興味の対象にされたくない、と言って断る方もありました。

撮影場所は住宅地やオフィス街近くの公園です。人工物を外して撮ると住所も時代も特定できない、ただの森のようでしょう。社会的なものが見えるのは嫌だったので、そんな場所作りをしました。
撮影の時は、公園まで歩く間、モデルの方といろんな話をしました。別に特別な関係ではなくても、一緒に歩いているとデートみたいな感じになるんですよ。男性と女性って、不思議ですね。

「ひとりもん」を撮影して思ったのは、男性の独身者は自分の好きなことをやってはる、ということ。もっと寂しそうに写るかなと勝手に決めていたのですが、人生、全然楽しくて、不安なコトが女性に比べて少ない。周囲からのプレッシャーも少ないし。不公平ですね(笑)。モデルになった方は、ひとりもんを謳歌してる人ばかり。だから、ちょっと寂しそうだったり、男らしくない雰囲気に撮影されても平気なんですね、自信がありますから。ただ、この写真を見て攻撃されたと感じる「ひとりもん」もいるようです。


<ポートレートとスナップ>
被写体である「ひとりもん」は、全員がレンズをじっと見つめています。膝を抱えた同じポーズで。それは上平さんが意図的に作り上げた構図でした。

…撮影はデジタルです。アメリカで写真を始めた頃はフィルムの時代で、モノクロで撮っていました。私はおっちょこちょいなので、現像してみたら「あれ?」、みたいなことがありました。それはそれなりに面白い趣があるのですが、思った通りにならないことがあって難しい。

だからデジタルになって救われた部分があります。今回のような撮影でも、撮ったらすぐ確認できるし、モデルになった方にその場で見せられますし、ポートレートにはデジタルが向いているのではないでしょうか。

撮影する時は、あるがままではなくて、注文を出します。例えば、レンズを見てください、と。私自身、どういうことを求めていると口でいうのは難しいのですが、なんというか、「素」でいてほしくないというか、真剣になってほしくて。本当は全員、もっと優しいし、もっと笑顔なんですよ…写真の表情は私が「作った」顔なんです。皆さん、私が思う顔に向かって、力を入れてくださいました。かなり長い間シャッターを開けているので、動かないでいるのも大変なんですが。

ポートレートって、私にとっては、「作ってあるもの」。簡単にいえば、写真館の撮影の延長、というふうに思っています。写真を媒体にした表現なので、自分が完全にコントロールしたいという欲望があります。たとえば、シャッターを長く開けているのも、背景の隅々まではっきり写したい、自分のものにしたいという思いからです。モデルの方に対しても、撮影前に「ここに座って」「手はこう組んで」「こんな表情で」と決めて臨み、そのように求めました。

ある一瞬をあるがままに切り取ったものはスナップであって、ポートレートではない。スナップとポートレートの違いを、そのように思っています。人によって解釈が違うかもしれませんが。


大阪の個展を見た人からはいろいろな意見が出たとか。神戸でも、賛否両論あることは覚悟しているという上平さん。大人の女性は潔し!
次のテーマも男性で、最近、サラリーマンを中心にスナップを撮り始めたそうです。「作らない」スナップで、どんな作品を仕上げるのでしょうか。


扉を押せば、11人の強い眼差しが、一斉にあなたを迎えます。
ドキッとする「新しい人物ドキュメンタリー」を見にお出かけください。
11月6日(金)からです。

展覧会の詳細はコチラ→上平孝美写真展『ひとりもん Singles』
2009年の展覧会 | 14:09 | comments(0) | trackbacks(0)
上平孝美写真展『ひとりもん Singles』開催のお知らせ
*11月の展覧会のお知らせ

来る11月、gallery space rai・boxで
上平孝美写真展『ひとりもん Singles』を開催いたします。


『ひとりもん Singles』は、2008年の
第31回キヤノン写真新世紀 佳作受賞作品で
「新しいタイプの人物ドキュメンタリー」(飯沢耕太郎 談)と評されました。
作家 上平孝美は、世間から「アラフォー」とひとくくりに呼ばれる
同年代の独身女性が多い中、その「アラフォー」のパートナーになるはずの
少し年上の独身男性達はどこで何をしているのだろうと思いはじめ、
その疑問や好奇心が作品を作るきっかけになったといいます。

今年7月、大阪のPort Gallery Tで初の個展を開催。
大きなサイズのプリントの中で、地面に脚を抱えて座る
40代、50代の独身男性たち「ひとりもん」の姿は反響を呼びました。

今秋は、神戸の当ギャラリーで皆様にご覧いただきたいと思います。
新たに、作品をより知っていただくためのレジメ、
上平孝美にインタビューしました記事をご用意いたします。
制作過程や作家自身を知っていただくことで
作品への理解を深めていただけるにちがいありません。
また、インタビューに登場する作品『遺産相続』の
ポートフォリオもご覧いただく予定です。

ぜひとも、本展をご高覧いただけましたら幸いです。


2009年11月6日(金) 〜 11月17日(火) *11・12日は休廊
上平孝美写真展「ひとりもん Singles」

上平孝美「ひとりもん Singles」
(C)Takami Uehira

Artist's statement

攻めない、語らない、大きな声を出さない。
誤解しない、期待しない、裁かない。
ほめない、さわらない、笑いかけない。
ただ、風に吹かれてそこに座っていなさい。

私より年上の独身男性たちを撮影しました。
独身である理由は様々でも、総じて
「ひとりもん」と呼ぶことに決めました。

No fighting. No talking. No shouting.
No misunderstanding. No expectation. No judgement.
No compliment. No touching. No smiling.
Let your mind sit in the blowing wind.
Here presents my works of older single men.
Their reasons to be a bachelor vary, yet I unify them as "Hitori-mon" (=singles)

上平孝美(ウエヒラタカミ)略歴
1969 大阪府生まれ
1991 立命館大学産業社会学部卒業
2000 California College of the Arts 写真学科卒業
2007 グループ展 [DOOR 2007] Port Gallery T / 大阪
2008 第31回キヤノン写真新世紀 佳作受賞
2009 個展『ひとりもん Singles』Port Gallery T / 大阪


作家インタビューはコチラ→作家インタビュー 上平孝美さん
2009年の展覧会 | 12:21 | comments(0) | trackbacks(0)
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